独学 [ プログラミング ]
2024/04/18 更新
難易度で見るプログラム言語一覧!初心者におすすめはどの言語?
プログラム言語は、人間がコンピューターに何らかの処理を命令するために必要な言語のことです。わたしたちが利用している多くのWebサイト、アプリケーション、システムなどはプログラム言語なしには成り立ちません。
プログラム言語の用途は幅広く、その時代のコンピューターの性能やプログラマーの考えに基づいて進化を続けてきた結果、利用者がそれなりにいる言語だけでも200~250種類以上あるとされています。
これだけ数多くの言語があると、どんな特徴があってそれぞれの言語でなにができるのか、分類するのは大変です。
しかも難易度や文章の作り方(ソースコード)は、当然ながら言語によって違いがあります。初心者がプログラム言語を覚える際には、なぜその言語を覚えるのか、明確な理由が必要となります。
この記事では、プログラマーを目指す人やこれからプログラム言語を学びたい人向けに主要なプログラム言語の特徴、難易度、用途、就職におけるアドバンテージなどを紹介します。
Contents
1. 初心者におすすめのプログラム言語
プログラム言語を紹介する前に、初心者におすすめのプログラム言語を紹介します。
就職したい職業や利用用途で言語を選びますが、求人が多くある言語を選ぶのもプログラマーとして就職を考えるなら大事なポイントです。
エンジニア向け求人会社paizaの「プログラミング言語に関する調査」のランキングを参考に、おすすめ言語について見ていきましょう。
おすすめ1:Python
AIの分野で一気に浸透した言語で、機械学習以外にもサーバー開発、システム管理、IoTの幅広い分野で活用される言語です。
求人数・年収ランキングで5位につけており、いまエンジニアがもっとも学びたい言語1位の将来性が期待できる言語です。
習得難易度は中級レベルです。少し難しいと感じる人もいるかもしれませんが、最初に学ぶ言語としてはおすすめの言語です。
おすすめ2:JAVA
Webサービス、業務系システム、ゲーム、スマホアプリなど、JAVAは幅広い分野で活用できる言語です。
そのため、求人数ランキング2位と需要の高い言語です。難易度は中〜高と少し高めですが、習得しておいて決して無駄にならない言語です。
おすすめ3:Javascript・PHP・HTML/CSS
Web系に就職するのであれば、この3つはセットで覚えることが多い言語です。
とくに、Javascriptは求人数ランキング1位と大変需要がある言語です。PHPに関しても、求人数ランキング3位と就職には困らない言語でしょう。
またどの言語も習得難易度が低いことから学習しやすい言語です。フロントエンジニアとして活躍することが多いでしょう。
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おすすめ4:Swift・Kotlin
SwiftとKotlinはアプリ開発に使用する言語です。SwiftはiOS向け、KotlinはAndroid向けのアプリ開発言語です。
まだ求人数ランキングに入っていませんが、エンジニアがこれから学びたい言語には両方ともランクインしています。言語の流行りや需要は、現場のエンジニアがいち早く感じ取っています。将来性を考えても注目する言語です。
また収入ランキングに関しては、両方ともランクインしているので高収入が期待できる言語でしょう。
難易度は中レベルなので、初心者でも習得可能な言語です。
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アプリ系以外はひと通り勉強したが、JAVAが一番正統派な印象だった。難易度でいうと、JavascriptやPHPが習得しやすかったかな
2. プログラム言語一覧(特徴・難易度・用途・就職)
ここからは、主要なプログラム言語の特徴を見ていきます。
お互いに似たような名称の言語もあれば、車の名前を連想させるような言語もあります。
プログラム言語についてまったく知識がない状況で「その言語でなにができるのか」をイメージすることはかなり難しいものと推察されます。
特徴や難易度だけを知っても、どんな用途に使えるのかわからなければ、覚えること自体が無駄になってしまうかもしれません。
また就転職を目的として勉強を開始するなら、使える業種などを知っておいたほうがアドバンテージになります。
そこで今回は、以下の点にフォーカスして、それぞれのプログラム言語の情報をまとめています。
- 特徴
- 難易度
- できること・作れるもの
- 使える業種・就職先
それでは、ひとつひとつ解説していきます。
Python
- 特徴
- 用途が広く、文法がわかりやすい
- 難易度
- 中
- できること・作れるもの
- Web/アプリ開発・人工知能・画像解析・音声解析・API開発 など
- 使える業種・就職先
- AI/機械学習の分野・データ分析ツールの開発など
Pythonは「パイソン」と読み、さまざまな分野での活用が期待されている言語のひとつで、初心者から中級者向けの言語として知られています。
なぜ難易度に幅があるのかというと、プログラム言語としての文法がかんたんな構造になっているからです。
プログラムを読みやすく書きやすくするために生まれた言語であることから、基本的にはだれが書いても似たような文章(コード)になります。
またPythonはオープンソースのため、開発に役立つプログラムをまとめた「ライブラリ」を無償で利用することができます。
料理にたとえると、先輩が考えたレシピを見ながら料理をつくることができる環境が整っているため、Pythonを学ぶ人は独学もしくはオンライン学習の環境を手に入れやすいというメリットがあります。
一方で、日本国内では海外に比べて普及のペースが遅く、働く環境によっては別の専門知識が求められる可能性があることから、実務で使いこなせるレベルまでたどり着くには時間がかかる言語だという意見もあります。
将来的に海外で活躍したいと考えている人、新しい知識を得ることに貪欲な人は、Pythonを学ぶと視野が広がるかもしれません。
R
- 特徴
- 統計特化型のプログラム言語
- 難易度
- 高(ただしコード自体は低)
- できること・作れるもの
- ビッグデータ解析・機械学習
- 使える業種・就職先
- データサイエンティスト・ビジネスアナリストなど
Rという言語は、Pythonと違って汎用性の高い言語ではありません。それではどこに強いのかというと、統計・解析の分野で活躍する言語として知られています。
そもそもRという言語は、統計学者が設計・開発に携わって生まれたという経緯があります。そのためコード自体はシンプルで、難易度の高いものではないという評価がなされています。
しかしRを有効に活用するためには、ユーザーが統計学・データサイエンスに精通している必要があり、学術的な意味で高難易度の言語となります。
独学する場合を除いて、統計学は文系なら経済学部や商学部、理系なら理学部や情報工学部などで学ぶ分野ですから、最低でも大卒クラスの理解が求められるでしょう。
ただそこさえクリアできれば、データアナリティクスの分野で分析職としてキャリアを積み、Googleなどの大企業で働くチャンスが得られる可能性があります。
統計学を学び続けられるだけの数学的素養があり、分析職としてキャリアをスタートさせたい人にとって、Rは魅力的な言語に感じられるはずです。
JAVA
- 特徴
- 使い勝手のよい汎用プログラム言語
- 難易度
- 中~高
- できること・作れるもの
- スマホアプリから金融システムまで様々
- 使える業種・就職先
- ゲーム業界・SEなど
JAVAは、プログラム言語のなかでも知名度・支持率が高い言語のひとつで、非常に汎用性の高い言語として知られています。
Webサービス、業務系システム、ゲーム、スマホアプリ、組み込みなどでJAVAを使った開発に携わった経験のある人材は、多くの開発現場で歓迎されるでしょう。
言語としての大きな特徴は、一度書いたコードが開発環境と異なる環境でも実行できるという点で、その特徴は「write once, run anywhere(一度書けばどこでも実行できる)」という理念で説明されます。
開発現場以外でも、たとえば教育・趣味の分野などで幅広く使われている言語です。
ただ汎用性の高さや環境に依存しない性能を両立させるための言語であることから、そのぶん使い手には相応の習熟度が求められます。
ほかのプログラム言語と比べて、細かいルールや難易度の高い記述が多く見られるため、学習時間が長くなってしまうのです。プログラム初心者にとっては、多少敷居の高い言語と言えます。
しかし勉強する時間やスクールに通える予算を確保できる人にとっては、挑戦することで大きな未来を勝ち取れる可能性がある言語ですから、ぜひチャレンジしてほしいと思います。
Scala
- 特徴
- JAVAの強化版(オブジェクト指向+関数型)
- 難易度
- 高
- できること・作れるもの
- SNS・アプリ・ゲーム・システム開発
- 使える業種・就職先
- Web業界・ソフトウェア業界・通信業界等
Scalaの特徴として、対象データ・操作手続きをひとつのブロックにまとめてプログラムを組んでいくオブジェクト指向と、関数の組み合わせでプログラムを作る関数型プログラミングが組み合わさっていることが挙げられます。
自動車のエンジンとモーターが組み合わさったような、いわばハイブリッドな言語と捉えればわかりやすいかもしれません。
また、ScalaはJAVAと互換性を保てるように開発されたJAVAをルーツに持つ言語です。その点において、ScalaはJAVAと親和性があるため実質的な後継言語と考えてよいでしょう。
JAVAのライブラリが使えることから、間接的にJAVAへの理解も深まります。
しかしいきなりScalaを学ぼうとするのは、ひょっとしたら初心者には荷が重いかもしれません。人気に対して使い手が少ないのか、学習教材が少なくて初心者がイチから学ぶにはハードルが高いからです。
転職市場において、Scalaを使いこなせる人材はハイレイヤーを目指すことも十分可能ですが、現場ではJAVAの知識も要求されるかもしれません。
初心者の学習戦略としては、まずJAVAを理解して、それからScalaへと移ったほうが賢明でしょう。
JavaScript
- 特徴
- 名前は似ているがJAVAとは別物
- 難易度
- 低
- できること・作れるもの
- Webサイトをより魅力的にできる
- 使える業種・就職先
- Web系のフロントエンジニア・スマホアプリなどのアプリケーションエンジニアなど
JavaScriptは、インターネットの恩恵にあずかっている人なら、一度は触れたことのあるプログラム言語です。
ブラウザ上でWebサイトに「動き」の概念を取り入れるため生まれた言語で、ポップアップウインドウや画面スクロールの動きを追う形で画像が出てくるアニメーションなどに用いられています。
効果的に用いれば、Webサイトの雰囲気をリッチにすることができ、たとえばアニメや映画のインフォメーションページを躍動感あるものに仕上げられます。
最近ではバックエンドのシステム・アプリ開発でも利用されており、Webサービスにおいて重要な位置を占めています。
ちなみに名称にJavaというアルファベットが加わっているのは、別にJAVAの姉妹版だからというわけではありません。JavaScriptはもともとLiveScriptという名称でしたが、企業提携などの事情もあって名称が変わったようです。
よってJavaScriptはJAVAほどの汎用性はなく、どちらかというとWebデザイン特化型の言語なので難易度もそこまで高くありません。
Webデザインに携わりたい人、身近な部分でプログラム言語を学んでみたい人にとっては、魅力的な言語のひとつだと言えるでしょう。
TypeScript
- 特徴
- 大規模開発を想定したJavaScriptの進化系
- 難易度
- 中
- できること・作れるもの
- Webアプリケーション・スマホ開発など
- 使える業種・就職先
- ブログ系サービス企業・フロントエンジニアなど
TypeScriptは、JavaScriptの進化系となる言語です。マイクロソフト社によって開発され、ベースとなっているのはJavaScriptで、その欠点を補う形でアップデートが行なわれています。
総じてエラーに気づきやすい言語となっていることから、大人数で開発を行なう際に生産性が高まります。またJavaScriptのコードを移行することもできるため、JavaScript習得者にとっては覚えやすい言語と言えます。
しかしいきなりTypeScriptを覚えようとすると、初心者のなかには挫折してしまう人もいるかもしれません。それはTypeScriptが比較的新しい言語であり、日本語ベースで学べる環境が限られているからです。
ただ入門レベルから学べる教材も見つかるため、学びたい人に向けて門戸は開かれています。
ブログサービスでも用いられている言語ですから、自分のブログがある人はそちらのカスタマイズからスタートしてみてはいかがでしょうか。
PHP
- 特徴
- 歴史がある・学びやすい・人気が高い
- 難易度
- 低
- できること・作れるもの
- WordPress・Web開発
- 使える業種・就職先
- 雇われからフリーランスまで様々
PHPが誕生したのは1996年で、プログラム言語としては20年以上の歴史があります。世界中で用いられているプログラム言語のひとつであり、それだけに初心者にとっては学びやすい環境が整っています。
WordPressがPHPで記述されているのは有名ですが、もともとWeb上で動作する多くのサービス・サイト制作に適した言語であることから、それがシェアの高さにつながっているものと推察されます。
たとえばサイト内の問い合わせフォームや会員限定ページのログイン画面追加など、ちょっとした機能拡張・改善にすぐ使えるため使い勝手も抜群です。
そんなに簡単なら、就転職には使えないのではないかと考えた人もいるかもしれません。しかし簡単であるからこそ使いこなすには奥が深く、どれだけ経験を積んだかが問われる言語でもあります。
難しい言語はそれだけ便利な機能を備えているため、ほかの言語であれば20行のコードが必要なところを1行に集約することもできます。
しかし情報量をそれだけ圧縮するわけですから、多言語における20行分の知識や理解が必要になる点にも注意しなければなりません。
PHPを登山にたとえれば、3合目まではだれでも登れるものの、頂上に向かうためには獣道を歩かなければならないような言語です。フリーランスのPHPプログラマーとして活躍している人も少なくないため、習熟度がそのまま収入につながる言語と言えそうです。
GO
- 特徴
- Googleが開発したシンプルな言語
- 難易度
- 中
- できること・作れるもの
- スマホアプリ開発・サーバサイド開発
- 使える業種・就職先
- 将来性は高く大手企業転職も期待
世界的大企業のGoogleが開発したプログラム言語で、シンプルかつ高速な処理が可能な言語です。YouTubeの動画再生機能にもGOが用いられており、ほかの有名サイトでも導入が進んでいます。
だれが読んでもわかるプログラムを書きやすい特徴があることから、大規模開発に適した言語です。また同じような処理を行なう場合にJAVAの1/30しかメモリを消費しないため、メモリの負担を減らす意味でも有益です。
アメリカのHackerRank社が行なった2020年の調査において、GOはエンジニアが学びたいプログラム言語ランキングで1位を獲得しています。
将来性の高い言語として認知され、プロが学ぶことを検討している言語ですから、習熟するメリットは多そうです。
文法もわかりやすいので、初心者が勉強するのにも適しているとされます。
しかしGO自体が既存の言語へのアンチテーゼ的存在でもあるため、まずはかんたんな言語を学んでからのほうが理解しやすいでしょう。
Swift
- 特徴
- Apple社が開発したプログラム言語
- 難易度
- 中
- できること・作れるもの
- Apple社製品向けアプリ
- 使える業種・就職先
- スマホアプリ開発・ゲーム業界など
Swiftと聞いて、ひょっとしたら某メーカーのカーナビなどに関連する言語だと連想した人もいるかもしれませんが、この言語の開発元はApple社です。
そのため、基本的にはiOSやMacOSのためのプログラミング言語になります。
Apple社のOS上で動かすためのアプリ開発には、もともとObjective-Cというプログラム言語が使われていました。
Objective-Cに関しては後述しますが、汎用性が高いぶんだけ習得難易度も高い傾向にあったため、Apple社は開発を続けるために不便な部分を改善しようと試みて、その結果Swiftが生まれました。
Objective-Cだけでなく複数の言語を参考に生まれた言語で、コードもシンプルな形で表現できます。
多くの人がアプリ開発に携われるよう考えて生まれた言語だけあって、iOSアプリ開発は格段に難易度が低くなったという声もあります。
ただほかの言語の特徴を取り入れているぶん、プログラム言語をすでに学んでいる人のほうが理解は早いでしょう。
独学を検討するのであれば、まずはMacあるいはiPadを用意して、専用アプリ「Swift Playgrounds」をダウンロードしましょう。
Kotlin
- 特徴
- Androidの公式開発言語
- 難易度
- 中
- できること・作れるもの
- アプリ開発など
- 使える業種・就職先
- Androidアプリ開発、サーバサイド開発など
Kotlinは、JVM(JAVA仮想マシン)上で動作する新しいプログラム言語で、JetBrains社が主導する形で開発されました。
JVMとは、JAVAのプログラムを動かすためのソフトウェアのことで、これを使えばJAVAのプログラムにKotlinのコードを追加できるようになっています。
Google社がAndroidの公式開発言語としてKotlinを採用しています。言語としてJAVAに似たような概念を持つため、JAVAへの理解があれば覚えやすい言語です。
また言語自体が非Null型という特徴を持っていて、この特徴はNull安全と呼ばれることもあります。
初心者はNullと聞いても「?」マークがつくと思いますが、Kotlinを使えばプログラムの過程でエラーが出てしまうリスクを大幅に減らすことができるようになるのです。
そのためJAVAの開発環境で課題だったコードの長さを解消でき、JAVAで数行のコードがKotlinは1行でスマートに記述できます。
Objective-C
- 特徴
- iOS向けプログラム言語
- 難易度
- 中
- できること・作れるもの
- MacOS・iOSアプリ開発
- 使える業種・就職先
- 各種アプリ開発エンジニア
Swiftとの世代交代が起こっていますが、いまなお現場では主要な言語として用いられているプログラム言語です。こちらもSwift同様、iOSやMacOSのアプリ開発に用いられています。
Objective-Cが生まれたのは1983年のことで、誕生当初はそれほど注目されていた言語ではなかったのですが、スティーブ・ジョブズ氏がApple社退任後に立ち上げたNeXT Computer社で、開発言語として採用されたことを契機に注目されます。
そのあとNeXT Computer社はApple社に買収され、MacOS Xの誕生によってObjective-Cの知名度が広がりました。つまりMacOS Xは、Objective-Cで開発されていたのです。
そのような事情から、Objective-CはApple社の公式開発言語として発表されており、Swiftが生まれる前まではiOSやMacOSアプリ開発に用いられてきました。
これからはSwiftが主要開発言語になるケースが増えると思われますが、Swift自体の歴史が2014年からスタートしていることもあり、まだまだ現場ではObjective-Cが主流になるものと推察されます。
初心者として悩ましいのは、Objective-CとSwiftのどちらから先に覚えるべきか、という点でしょう。
Objective-Cが今後メインストリームから外れるであろうことを考えると、やはり初心者はサポートがしっかり備わっているSwiftから勉強を始めたほうが賢明かもしれません。
C
- 特徴
- プログラム言語の代名詞的存在
- 難易度
- 高
- できること・作れるもの
- Webアプリケーション・スマホアプリ・組み込みアプリ・ソフトウェア開発など
- 使える業種・就職先
- 幅広い分野での就転職が期待できる
C言語は、数あるプログラム言語のなかでも非常に古い歴史を持っています。開発されたのは1972年のことで、人間にとって記述内容の解釈が容易な部類に入る高級言語のひとつとして知られています。
現代まで廃れずに残っているのは、その圧倒的な汎用性に理由があり、高度な開発を要する分野ではC言語の経験を問われることも多いようです。
それはC言語を操るためには、コンピューターのハード面についても深い理解が必要だからです。
逆に言えば、C言語を学ぶことにより、CPU、メモリ、コンピューターの仕組みや動作にも詳しくなれます。ただ時代が進むにつれて、便利なプログラム言語が増えてきているため相対的に難易度は高くなっています。
実際のところ初心者が学ぶにはハードルが高い言語のひとつであり、就転職を見据えたときにあえて学ぶ必要があるのかどうかは疑問です。
しかしプログラムそのものの理解を深めたい場合や大規模なプロジェクトに参加したい場合などは、C言語をマスターすることが大きなアドバンテージになるでしょう。
C++
- 特徴
- C言語の改良版
- 難易度
- 高
- できること・作れるもの
- Webアプリケーション・ロボット・IoTの開発
- 使える業種・就職先
- Web系・組み込み系・ゲーム開発系など
C言語から派生したプログラム言語のひとつで、もともとの特性を活かしながら、より効率よくプログラミングできるよう改良されています。
ハードウェアを直接制御する用途にもソフトウェアを開発する用途にも使われているため、多くの開発現場で需要が高い言語です。
できることが幅広いため、Webアプリケーション、ロボット技術開発、IoT技術開発と活躍の場はさまざまです。またC言語との互換性もあり、コンピューターの処理速度も速いというメリットもあります。
有名な例としては、世界中で利用されているWebブラウザ「Chrome」もC++で開発されています。転職情報をチェックすれば、メガバンク向けインターネットバンキング開発、電力会社システム開発などの多くの案件が見つかります。
それだけに当然ながら学習の難易度は高いですが、習得後にほかの派生言語を理解するのが簡単になります。本格的にプログラマーとして活躍したいなら、将来的に学んでおきたい言語のひとつです。
C#
- 特徴
- Windowsとの相性がよいプログラム言語
- 難易度
- 中
- できること・作れるもの
- GUI・Webアプリ開発、ゲーム開発など
- 使える業種・就職先
- 製造業のシステム開発・一般企業のシステム管理・ゲーム業界など
こちらもC言語の系統に含まれ、マイクロソフトが開発しています。JAVAなどほかの言語と似た文法があり、経験者にとっては比較的習得難易度が低いと言われています。
開発の経緯からわかる通り、Windows上のアプリ開発に強みを発揮します。
統合開発環境「Microsoft Visual Studio」によって、開発環境はかんたんに構築できるようになっていますが、まったくプログラムの経験がない人にとっては難しいようです。
一方でWeb上から情報を集めやすいという学習者の声もあるため、後々のことを考えてC#を学んでおくのも一手かもしれません。
実際にC#でできることは多く、GUIアプリ、Webアプリ、ゲーム開発、クロスプラットフォーム開発などのさまざまな分野に応用が利くため、就転職時の選択肢は増えることでしょう。
VB
- 特徴
- 初心者でも扱いやすいマイクロソフト開発言語
- 難易度
- 低
- できること・作れるもの
- 各種アプリ開発(深部までは至らない)
- 使える業種・就職先
- 自社用ECサイト等を開発する一般企業など
マイクロソフト社が開発したプログラム言語のひとつで、各種アプリケーション開発に用いられています。もともとは「BASIC」というプログラム言語から派生しており、初心者向けの言語として認知されています。
年々バージョンアップがなされており、初心者向けだからといって、古いものになっていないところに特徴があります。
人間が普段用いる言語と似た部分があって親しみやすい反面、汎用性にかけるというデメリットがあります。VBだけを勉強しても、ほかの言語を覚える際に苦労するかもしれません。
就転職を想定した場合、ゴリゴリの開発チームで働くようなイメージはありませんが、自社でECサイト開発者を抱えている事業規模の会社であれば、採用される可能性は十分あります。
プログラムの可能性を知りたい人には、おすすめできる言語のひとつです。
Ruby
- 特徴
- 日本人が開発したプログラム言語
- 難易度
- 低
- できること・作れるもの
- 各種Webサイト・サービス作成
- 使える業種・就職先
- システム開発・運用系の案件など幅広い
多くのプログラム言語が海外で生まれていますが、Rubyはまつもとゆきひろ氏によって開発された日本発の言語です。まつもとさん自身が好きな複数の言語のエッセンスをかけ合わせて作られており、国際規格としても認定されています。
強みとなるのは「フレームワークを使い構築できるWebサイト」の制作で、具体的にはショッピングサイト、ブログサイト、アプリケーションサイトなどが得意分野になります。
就転職の案件をチェックすると、Rubyのみを主要開発言語として応募しているケースも見つかりますから、Rubyだけを学んでいる人でも転職のチャンスはありそうです。
これだけのパワーがある言語なのに難易度が低い理由は、やはり日本人が開発しているという点にあります。日本語で学べる環境が豊富なことから、日本人にとっては学びやすく、コストパフォーマンスが高い言語と言えるでしょう。
Perl
- 特徴
- テキスト処理に適していて読みやすい
- 難易度
- 中
- できること・作れるもの
- Webサービス・アプリ開発・サーバー管理など
- 使える業種・就職先
- 業務系システム開発・Webシステム開発など
PHPやPythonなどの新しいタイプのプログラム言語が生まれるなか、影は薄くなっているもののプログラムに精通している人の間ではよく知られている言語のひとつです。
バージョンアップ後も古いコードを活かせるため、その後方互換性が評価されています。
またコードを記述しながらプログラムの動作確認ができるため、Web系の短期開発ではPerlが使われるケースが多いようです。
Perl単独での募集は少ない傾向にあるものの、システム開発の分野で幅広く求人を探すことができます。
ただ初心者が学ぶべき言語かどうかは悩むところで、新しい言語が登場した現代においては、学ぶメリットはそこまで大きくないかもしれません。
ほかのやさしい言語を学んだあとで、必要に応じて勉強することをおすすめします。
SQL
- 特徴
- データベースを制御するための言語
- 難易度
- 低
- できること・作れるもの
- データベース構築・データ分析など
- 使える業種・就職先
- 財務・金融系のシステム開発など
SQLは、ここまでご紹介してきたプログラム言語とは違う用途で用いられます。
いわゆる「データベース言語」と呼ばれるもので、たくさんのデータが集まったデータベースに対して問い合わせをして、その結果を返してもらうための言語です。
つまりデータを管理したうえで、ユーザー側が指定した条件を見つけ出す以上の機能は期待できません。
そのため覚えることはそれほど難しくありませんが、たとえばSQLだけでアプリを開発・制作するような用途に使うことはできません。
とはいえデータベースのアクセスが必要になる場面は現代でも多々ありますから、SQL自体の必要性が失われる可能性は低いでしょう。
単独で就転職先を探すのは難しいかもしれませんが、キャリアを補強する意味で覚えておくと役に立つはずです。
PL/SQL
- 特徴
- Oracle Databaseを便利に使うための言語
- 難易度
- 低
- できること・作れるもの
- SQLよりも細かい処理が行える
- 使える業種・就職先
- データサイエンティスト・証券/金融系など
PL/SQLは、一言で言えばSQLの進化版で、Oracle社のデータ管理システム「Oracle Database」をより使いやすくするために用いられている言語のことです。
SQL単体よりも、たとえば以下のような多くの手続き処理が行なえます。
- 表から取り出したデータをもとに、レコードを更新するかどうかを判断する
- あるSQLを、指定した回数で繰り返し実行する
またPL/SQLによるプログラム全体をまとめてデータベースに送信・処理できるので、そのぶんだけ手間を省けます。ほかにも多くのメリットがあるため、SQLを覚えるならPL/SQLも含めて考えたほうがよいでしょう。
注意点としては、こちらもPL/SQL単体のキャリアで就転職するのは難しいという点です。ほかの言語について学ぶことも含め、キャリア構築を検討しましょう。
COBOL
- 特徴
- 事務処理系に強い歴史ある言語
- 難易度
- 低(ただし学習環境は少なくなると予想される)
- できること・作れるもの
- 事務処理・計算処理・帳票出力など
- 使える業種・就職先
- 金融・銀行業界を中心に幅広く
COBOLは、1959年に開発された世界的に見ても歴史の古いプログラム言語です。事務処理に最適な言語で、極端な話「事務員でも書けるプログラム」としてシンプルに設計されています。
プログラムの専門知識を持っていない人でも書けるようになっていて、保守も難しくありません。
一方で新しく便利な言語が多く生まれていることから、COBOLを深く理解して運用しているエンジニアは少なくなってきています。
技術者自体の需要は当面なくならないので、システム移行などのニーズはあるものと思われますが、新規で覚えるかどうかは判断がわかれるところです。
就転職を考える際は、ほかの言語習得に注力しつつ、現場で覚えるようなスタンスでイメージしたほうがよいのかもしれません。
3. まとめ
プログラマーを目指す人、転職のために習得言語を増やしたい人は、将来性を考慮したプログラム言語を選ぶとよいでしょう。
最初の言語を習得することは大変ですが、ひとつ覚えればそれ以降の言語はスムーズに覚えられます。スクールや書籍などを利用して、習得していきましょう。
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